賃貸物件で害虫が発生するのはなぜ?害虫駆除の費用は誰が負担かも解説

賃貸物件で害虫が発生するのはなぜ?害虫駆除の費用は誰が負担かも解説

賃貸物件で急に害虫が発生すると不快になるだけでなく、なぜ発生したのか、どのように対処すれば良いのか、不安を感じることでしょう。
害虫の発生原因や賃貸物件での害虫駆除のルールを知ることは、今後の害虫対策にもつながります。
今回は、賃貸物件で害虫が発生する原因や害虫駆除の費用負担などについて解説しますので、賃貸物件の害虫にお悩みの方はぜひ参考になさってください。

害虫を駆除する前に確認!賃貸物件で害虫が発生する原因とは?

害虫を駆除する前に確認!賃貸物件で害虫が発生する原因とは?

歓迎できない相手といえる害虫ですが、どのような原因から発生するのでしょうか。
まずは、害虫駆除にあたって知っておきたい、害虫の発生原因からご紹介します。

湿気がたまっている

賃貸物件で害虫が発生した際、原因のひとつとして考えられるのが湿気です。
湿気がこもってじめじめとした環境は、人間にとっては不快ですが、害虫には好まれます。
日が当たりにくい部屋や風通しの悪い部屋は湿気がたまりやすいため、注意が必要です。
1階の部屋はこれらの条件に当てはまりやすいだけでなく、地面からの湿気を吸いやすいため、とくに注意したほうが良いでしょう。
湿気がこもっていると感じたら、こまめに換気することが大切です。

周囲で発生した害虫が侵入した

山林や田畑の近くといった自然豊かなエリアに建っている賃貸物件は、整備された住宅地に比べるとさまざまな害虫が発生します。
周囲の田畑で害虫が大発生し、賃貸物件に大量に侵入することもあるでしょう。
街中では見かけにくい害虫が発生し、害虫駆除の方法がわからず困るケースも少なくありません。
大自然に囲まれた賃貸物件だけでなく公園や水辺が近い賃貸物件でも、同様の理由で害虫が発生する可能性があります。

汚れやほこりがたまっている

害虫が急に発生したと感じたら、室内や賃貸物件の周辺の様子を確認してみてください。
害虫のエサや住処になりやすい、汚れやほこりがたまっている可能性があります。
とくに、生ゴミはにおいが発生してゴキブリやハエなどの害虫を引き寄せてしまうため、放置は厳禁です。
ゴミ袋を二重にしたり、フタのついたゴミ箱を使ったりして、害虫を引き寄せない・発生させないよう心掛けましょう。

賃貸物件の害虫駆除は誰が負担する?費用負担の考え方とは

賃貸物件の害虫駆除は誰が負担する?費用負担の考え方とは

賃貸物件は一戸建てとは異なり、入居者は借主で、所有者は大家さんです。
また自分だけが暮らしているわけでなく、同じ建物内で大勢の方が生活を営んでいます。
害虫の発生原因が自分にはなく、大家さんの管理方法やほかの入居者の掃除方法にあることも考えられるでしょう。
自分以外が原因で発生した害虫の駆除費用を負担するのは、なんだか釈然としないものです。
では、賃貸物件で害虫が発生した場合は、誰が害虫駆除費用を負担することになるのでしょうか。

基本的な考え方

賃貸物件における害虫駆除の費用負担は、ケースごとに、原因にあわせて判断することが基本です。
入居者が費用を負担する場合
害虫の発生原因が入居者にあると考えられるケースでは、入居者が害虫駆除の費用を負担します。
たとえば、自分が放置した生ゴミが原因で害虫が発生したケースなどです。
また、このケースでは入居者が善管注意義務違反に問われる可能性もあります。
善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)とは、入居者に「退去の日まで賃貸物件の管理を怠らずに暮らしてください」と求めるものであり、民法400条に規定されています。
害虫が発生しないように予防することも入居者の義務であり、それを怠ったがゆえに害虫が発生した場合は、入居者が害虫駆除費用を負担しなくてはなりません。
またこれから解説する大家さんが費用を負担するケースに該当するにもかかわらず、大家さんへの連絡が面倒で相談せずに害虫駆除をした場合は、入居者が費用を負担することになってしまいます。
比較的小規模な発生であれば、連絡せずに駆除してしまう方も多いことでしょう。
大家さんが費用を負担をする場合
建物が原因で害虫が発生している場合は、大家さんが害虫駆除の費用を負担します。
大家さんが費用を負担するケースの例は、次のとおりです。

●建物が老朽化している
●排水管に不具合がある
●前の入居者の使い方が悪い
●管理が十分ではない


建物の老朽化すると、さまざまな原因で害虫が発生します。
たとえば、ひび割れから害虫が侵入する、雨漏りによって木材が腐り、シロアリが発生するなどです。
老朽化にともない排水管もうまく機能しなくなり、下水から害虫が侵入することもあるでしょう。
賃貸物件の排水管の修繕は一般的には大家さんが費用を負担するため、排水管の不具合にともなう害虫駆除の費用も大家さんが負担することになります。
また、前の入居者の使い方が原因で害虫が発生するケースもあり、この場合も駆除費用を負担するのは大家さんです。
入居者が退去すると大家さんは室内のクリーニングをしなくてはなりませんが、そのクリーニングが十分ではなかったと判断されるためです。
このほか、大家さんによる賃貸物件の管理が十分ではなく害虫が発生した場合も、大家さんが費用を負担することになります。
ただし、これはあくまでも例であり、「これが原因で害虫が発生した」といい切れないケースも少なくありません。
大家さんが負担するケースとは認められず入居者が害虫駆除をすることになるケースもあれば、入居者に非があるといい切れず、大家さんが費用を負担するケースも見られます。
害虫の発生により賃貸物件で暮らし続けられないほどの被害が生じているのであれば、一度相談するのもひとつの手段です。

害虫が発生しやすい賃貸物件の条件とは?

害虫が発生しやすい賃貸物件の条件とは?

建物の状況や立地など、賃貸物件はそれぞれ異なる特徴や条件を備えており、害虫の発生のしやすさも異なります。
害虫が発生すると不快なだけでなく、害虫駆除の費用負担などにも頭を悩ませることになるため、できることなら害虫の発生しない建物で暮らしたいものです。
最後に、害虫が発生しやすい建物の条件を解説します。

飲食店が多いエリアにある

飲食店が多いエリアは活気があり、利便性が高いことが魅力です。
しかし飲食店の多いエリアに建っている賃貸物件は、周囲の飲食店で発生したゴキブリなどが侵入する可能性があります。
ゴキブリが苦手な方は、1階部分が飲食店になっている賃貸物件はとくに避けたほうが良いでしょう。

周囲に水がたまる場所が多い

水が多いエリアは、害虫が発生しやすいため注意が必要です。
川や沼などのほか、公園の噴水や水のたまったバケツ程度でも害虫の発生場所になり得ます。
賃貸物件のベランダ部分などにも、水がたまるものは置かないようにしましょう。

部屋が低層階にある

建物の条件というより、建物のどこに住むかという条件ではありますが、1階の部屋ほど害虫が発生します。
最初の章で解説したとおり、地面からの湿気を吸収しやすく、害虫も侵入しやすいためです。
空を飛べる害虫であっても、高さ10m、マンションの3階程度が限界だといわれています。
害虫の発生を避けたい方は、1階の部屋ではなく3・4階以上の部屋を選ぶと良いでしょう。

まとめ

害虫が発生する原因は、湿気が多い、ゴミがたまっているなど多岐にわたります。
賃貸物件で発生した害虫の駆除費用は、暮らし方に原因があれば入居者が、建物などに原因があれば大家さんが負担することが一般的です。
害虫が苦手な方は、飲食店の多いエリアや水がたまる場所の近くにある建物を避け、高層階に住むと良いでしょう。